性的少数者に対する理解を広めるLGBT理解増進法の施行から、1年が経った。だが、法律に明記された基本計画策定へのめどが立たない。政府は「知見を収集中」と説明するが、伝統的な家族観を主張する一部自民党議員への配慮を指摘する声もある。

 21日、超党派でつくる推進派「LGBTに関する課題を考える議員連盟」の岩屋毅会長(自民)が国会内で林芳正官房長官と会い、基本計画の早期策定を含めた性的少数者の権利保護に取り組むよう申し入れた。

 岩屋氏によると、林氏は「丁寧かつ、できるだけ迅速にやりたい」と回答。だが、策定時期などの具体的な考えは示されなかったという。

 増進法第1条は法の目的について、基本計画の策定により性的指向やジェンダーアイデンティティーの多様性を受け入れる精神を養うことや、寛容な社会の実現に資することなどを定める。政府は昨年8月に省庁横断の連絡会議を立ち上げ、大学教授などからヒアリングも進めてきた。

 ただ、計画策定に向けて議論のペースが上がっているとは言い難い。

 内閣府の担当者は「意見が分…

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